何者でもない自分の記録

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刑罰化の前に

幼児教育の無償化がらみで署名してからchange.orgから色んなDMが届くので時々署名してる。今日は性犯罪の刑罰について届いてて何も考えずに署名しようと思ってたけど踏みとどまった。というのもつい先日、電気グルーヴの件で賛同したばかりだからだ。

宮台さんが会見開いたりしてたけど、争点の一つが

「薬物報道ガイドライン」には「薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと」が挙げられてい

ることである。

もちろんピエール氏は逮捕されてるし薬物使用は刑罰の対象となっているし、性犯罪の刑罰化と薬物に関するメディア規制とは論点が違う。

性的暴行事件や父親による性的虐待等が無罪となる日本はおかしいとも思う。

 

だけど、薬物依存症者を迫害したところで薬物依存症という一種の病気が原因である限り抑制するどころか逆効果になように、性犯罪の多くもやはり性依存症など治療が必要な人たちによるものだと想像しうるのだ。

私も性依存症についてはつい最近まで”性欲の強い人””欲求を抑えられない人”くらいの認識だったが、春休み中に週プレのwebコミック、

第1話 - セックス依存症になりました。 - コミック|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

を読んで、印象がガラッと変わった。

直接的な性行為だけでなく痴漢行為を繰り返す人、露出症(狂とは医学的に言わないらしい)、売春など性犯罪と呼ばれるものの多くがその対象であること、

また、彼ら彼女らの行為行動が、薬物やアルコール、万引き(クレプトマニア)、摂食障害などの依存症者と行動原理が類似している上に、多くの場合引き金となる性的なトラウマ(被虐待経験など)があることなど、”犯罪者”とか”性的逸脱”の一言では言い表せないことを初めて知ったのだ。

 

ホリエモンなど刑務所に入ったことのある人の手記を見て、

性犯罪者は全く反省しておらず再犯する気満々なことや、薬物で捕まった人は再犯率が高いことなどは知っていたが、この漫画読んで「なるほどなー!」と腑に落ちた。

 

 病気だから罰する必要がないということを言いたいのではない。でも、罰よりも治療・支援がやはり必要で、その第一歩が(少々乱暴だが)「病気である」と社会全体が認識することだと思う。そもそも更生保護だってソーシャルワークの支援対象だしな。

 

話は飛躍するけれど、子ども(特に乳幼児)が育つ中でいかに大人を信頼できるか?ということが自己肯定感や自立心を養うのに大事なわけ。親といつも一緒に居られなかったとしても親戚や地域の大人が自分に関心を持っている(仮に雷おやじに叱られるにしても)ことで自分は生きてていいんだって思えるわけ。

でも今は不審者がいるから怖い、警戒しなきゃならない、不審者から子どもを守るのが親の務め、みたいな風潮がある。

でも、”不審者”と呼ばれる人の多くは病気・障害or世代間ギャップや養育環境に問題があった人などであってナチュラルボーンサイコパスなんて1割にも満たないのではないだろうか?

つまり排除すればするほど、次世代の不審者が誕生してしまうのではないか。

 

薬物犯罪と違って性犯罪は被害者がいる点はもちろん考慮が必要だが、事件を起こした当の加害者を罰したところで次なる被害者が減るとは思えない。性犯罪が暴力であること、性依存症は治療が必要であることを周知していくことの方が先決な気がする。素人意見で申し訳ないが。

 

もし自分の娘が性被害にあっても同じことが言えるか?

想像しただけで胸が締め付けられるし親子ともども辛いだろう。でもまずは娘に「例え性被害にあってもあなたの人格が侵されたわけではないし汚れたわけでもない、母の愛情は変わらない」ということを言えたらいいなとは思う。